【税金・法律】タグの記事一覧|バーチャルオフィスのお役立ち情報|GMOオフィスサポート http://35.73.36.75 GMOオフィスサポート Tue, 01 Aug 2023 09:26:27 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.5.2 https://www.gmo-office.com/blog/wp-content/uploads/2022/06/favicon_144x144.png 【税金・法律】タグの記事一覧|バーチャルオフィスのお役立ち情報|GMOオフィスサポート http://35.73.36.75 32 32 副業を法人化するメリットとそのタイミングは? https://www.gmo-office.com/blog/startup/incorporation_1/ Tue, 27 Dec 2022 11:40:47 +0000 https://www.gmo-office.com/blog/?p=591 本業の傍らで始めた副業が軌道に乗り収益額が大きくなってくると、個人事業ではなく法人にすべきかどうか迷う状況が出てくることがあると思います。
法人化には節税効果などのメリットがある反面、会社を設立するには少からず手間や費用が必要となるため総合的に検討する必要があります。
そこで今回は副業から法人化することによるメリット・デメリットと、法人化するのであればどのタイミングがよいかについて解説します。

副業を法人化するメリット

副業で行っている事業を法人化するメリットについて順に説明します。

1.節税効果を得られる

法人化する最も大きなメリットは節税効果です!
主な内容としては以下の4つがあります。

節税効果1:法人税率が適用される

副業で個人事業主として事業を行う場合、副業での収益を得ると所得税を納める必要があります。
所得税は累進課税のため、所得が増えるにつれて税率は最大45%まであがるとともに、住民税の10%が課税されます。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円未満 5% 0円
195万円〜330万円未満 10% 97,500円
330円〜695万円未満 20% 427,500円
695万円〜900万円未満 23% 636,000円
900万円〜1,800万円未満 33% 1,536,000円
1,800万円〜4,000万円未満 40% 2,796,000円
4,000万円〜 45% 4,796,000円
参照:国税庁 > 所得税の税率

一方で法人化すると税率は約30%になります。
これら2つの税率を比較し、所得税と住民税の税率が法人税の税率を上回った時点で法人化すると節税効果を得られます。

一般的な目安として副業の事業所得(売上から経費と控除を引いたもの)が500万円を超えると、こうした節税効果が得やすくなるといわれています。

あくまで目安である理由として、500万円を超えたとしても小規模共済や青色申告の活用など個人事業主としての節税ができていれば500万円以下に抑えられるというケースもあるためです。

個人事業主の節税についてはあらためて解説しますが、まずは事業所得が500万円を超えたら法人化について具体的な検討を始めた方が良いとご認識ください。

節税効果2:法人しか出来ない節税対策が出来る

個人事業では青色申告や、小規模企業共済等の対策しかできませんが、法人の場合は節税対策の幅が広がります。

例えば役員社宅(賃貸している自宅の賃料の5~8割を法人の経費化)や、退職金の活用(退職所得控除の活用・社会保険料の対象外)などがあります。
更にお得なのが、旅費規程というものです。
こちらは、規定を整えておく必要がありますが、出張に応じて、手当を出すことが出来ます。この手当に関しては、所得税、住民税、社会保険料の対象外となるためまるまる手取りとして得る事ができます。

節税効果3:給与所得控除が適用される

個人事業主であれば収入は事業所得ですが、法人化することで役員報酬(給与所得)になります。
これにより二つの節税効果が生まれます。

一つ目は給与所得控除が適用され課税額が下がること。
二つ目は給与所得を経費として処理できることです。また家族を役員にして給与を支払うことで世帯収入の手取りを増やす事が出来ます。

節税効果4:赤字の繰越期間が10年に

個人事業主の3年に対して法人では10年と期間が長いです(いずれも青色申告の場合)。

事業が赤字の場合翌年度以降に繰り越すことが可能ですが、繰り越せる期間が長ければ長いほどより黒字になった年と相殺できるので節税効果を得られます。

2.社会的な信用度が上がる

法人になると謄本にさまざまな情報が記載される組織になることから個人事業主よりも社会的な信用度が高くなります。
そのため契約や融資、人材採用などの点において有利になる場合があります。
企業によっては個人事業主との取引を行わないこともあるため、展開する事業の幅も広がると言えるでしょう。

3.融資を受けやすくなる

法人化することで金融機関からの融資が受けやすくなったり、融資の限度額が引き上げられる場合があります。
こうしたことで事業拡大のための投資もしやすくなると言えます。

https://www.gmo-office.com/blog/startup/freelance_or_corporation/

法人化するデメリット

法人化にはメリットがある半面、デメリットもあります。
法人化すれば何もかも良いことだらけ、というわけにはいかないので法人化の判断をするため主なデメリットも解説します。

1.事務負担が増える

法人になると必要な作成書類が増え処理も煩雑になるため、決算・申告等を行うにあたり顧問税理士に依頼する必要性が高まります。
すでに確定申告などで税理士に依頼している場合は支払額が増える可能性がありますので相談するようにしましょう。

2.設立に費用が必要

個人事業主が事業を行う場合は税務署に開業届を提出するのみでよいのですが、法人の場合は法務局への登記申請が必要です。
登記費用は合同会社は6万円〜、株式会社は18万円〜と会社の形態にもよりますが総額だと約10万~25万円ほどが必要となります。

印紙代

紙で定款を作成する場合は株式会社、合同会社ともに40,000円の印紙(印紙税)が必要となります。
一方、電子(PDF)で定款を作成する場合、この費用はかかりません
しかしマイナンバーカードを読み取る必要があるためICカードリーダーを用意する必要があります。
専門家に依頼する場合は概ねICカードリーダーを持っているため電子定款で対応可能です。

定款の認証手数料

株式会社を設立する場合は定款を公証人に認証してもらうため認証手数料がかかります。
定款の認証の手数料は、設立する会社の資本金等の額に応じ100万円未満の場合は3万円、100万円以上300万円未満の場合は4万円、それ以上は5万円となります。
合同会社は定款への認証が必要ないため認証手数料はかかりません。

謄本手数料

定款の認証を行っていただくのと同時に、登記時に必要な定款の謄本を作成してもらう必要があります。謄本手数料は1ページ250円で、登記申請用と保管用の合計2冊が必要になります。ページ数にもよりますが平均すると2,000円程度と言われています。

登録免許税

株式会社の場合は登録免許税として印紙代が15万円必要となります。ただし資本金の1,000分の7の金額が15万円を上回る場合はその金額が登録免許税として必要になります。
一方、合同会社の場合は登録免許税として印紙代が6万円が必要となります。
こちらも株式会社同様に資本金の1,000分の7の金額が6万円を上回る場合、その金額が必要となります。

  株式会社 合同会社
印紙代 電子:0円 紙:40,000円 電子:0円 紙:40,000円
定款の認証手数料 30,000円〜50,000円 0円
謄本手数料 約2,000円 0円
登録免許税 150,000円〜 60,000円〜
合計 182,000円〜 60,000円〜


最近では福岡市が福岡市新規創業促進補助金として登記費用を補助するなど起業促進の補助制度もあるので、それらは別であらためてご紹介いたします。

3.法人住民税「均等割」の負担

法人の場合たとえ赤字であっても法人住民税の均等割が毎年必要です
これは会社が各自治体に支払う固定費のようなもので、金額は自治体や会社の規模によって異なりますが最低でも約7万円が必要です。

4.社会保険の加入

個人事業主の場合、従業員が5人未満であれば社会保険の加入義務は発生しませんが、法人の場合はたとえ社長1人であっても社会保険の加入が義務付けられています。
通常、社会保険料は個人負担と会社負担の労使折半になりますが、ご自身が社長の場合は、個人負担と会社負担の両方を負担する事になりますので社会保険料の負担が大きくなるのも注意が必要です。

法人化のタイミングは?

いかがでしたでしょうか?

あらためて法人化の検討は、節税効果が得られやすくなる副業の事業所得が500万円を超えるタイミングを一つの目安にするとよいでしょう。

ただし法人化にもデメリットがあるので、個人事業主としてでできる対策をまず行うことが先決です

事業所得が500万円を超えそうなタイミングでまずは税理士に相談してみることをおすすめします。

オススメの税理士事務所をご紹介

ミカタ税理士法人

全国15都市に拠点をもつ大手税理士法人で税務だけでなく中小企業の経営そのものをサポートしています。

GMOオフィスサポートでもご紹介しているマネーフォワードクラウドの機能を最大限に活用し、ほとんど何もしなくても経理作業は終了。
もちろん副業されている方のフォロー実績も多数あります。

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クレジットカードで税金が支払えるってホント?知らないと損をするクレジットカード活用術! https://www.gmo-office.com/blog/business/creditcard/ Thu, 27 Oct 2022 11:52:49 +0000 https://www.gmo-office.com/blog/?p=513 意外と知られていないかもしれませんが、税金はクレジットカードでも支払えます。
それはつまり税金の支払いでポイント還元などクレジットカードの特典や恩恵を受けられるということ。
この記事ではクレジットカードで税金を納付する仕組みと、そのメリット・デメリットを説明します。

どんな税金がクレジットカードで支払えるの?

平成28年度の税制改正(平成29年1月4日施行)によって、クレジットカードでの税金の支払い(納付)ができるようになりました。

それ以前も地方税の納付にクレジットカードが利用できる自治体はありましたが、この税制改正後は国税にも広がりクレジットカードで納付できる税金は多岐にわたるようになりました。

しかしクレジットカードの納税システムがまだ整備されていない自治体や、納付に制限がある場合もあります。
そのため地方税のクレジットカードの納付についてはあらかじめ自分が住んでいる地域の税務署や各市町村役場の税務課に問い合わせておきましょう。

なお税金以外でも国民健康保険料や国民年金保険料はクレジットカードでの納付が可能です。

クレジットカードで支払える主な税金

国税
申告所得税及復興特別所得税 消費税及地方消費税 法人税
法人税(連結納税) 地方法人税 地方法人税(連結納税)
相続税 贈与税 源泉所得税及復興特別所得税(告知分)
源泉所得税(告知分) 申告所得税 復興特別法人税
復興特別法人税(連結納税) 消費税 酒税
たばこ税 たばこ税及たばこ特別税 石油税
石油石炭税 電源開発促進税 揮発油税及地方道路税
揮発油税及地方揮発油税 石油ガス税 航空機燃料税
登録免許税(告知分) 自動車重量税(告知分) 印紙税
国際観光旅客税 国際観光旅客税(告知分)  
地方税

住民税、自動車税、固定資産税、個人事業税、都市計画税、償却資産税、不動産取得税 など

(引用|都税クレジットカードお支払いサイト「お支払いできる税金」)

クレジットカードで税金を納付するメリット

それではクレジットカードによる税金の納付で得られるさまざまなメリットについて説明していきます。

メリット

ポイントやマイルを貯めることができる

税金をクレジットカードで納付する最大のメリットは納付することでクレジットカードのポイントや航空会社のマイルを貯められることです。

税金にはいくつも種類がありるのでトータルにすると大きな金額になり、得られるポイントもそれに伴って大きくなります。
また年間の利用額によって年会費が半額になるクレジットカードもあります。

クレジットカードで納付することでまとまったポイントが貯まったり、年会費が減額されればそれだけで経費削減につながります。

一部ポイントが貯まらないカードもあります。
税金の支払いでポイントが貯まるか、ご利用のカード会社へお問い合わせください。

24時間いつでも税金を納付できる

クレジットカードでの税金納付はインターネットにつながる環境があれば、いつでもどこからでも行うことができます。

税務署や金融機関などの窓口で納税する場合は平日の日中に限られてしまいますが、クレジットカードでの納付なら24時間いつでもどこでも手続きができてとても便利です。

カードで一元管理できる

クレジットカードで税金を納付するとその税金の種類と金額がクレジットカードの利用明細書に記載されます。

そのため何の税金をいつ納付したのかを一元管理することができ事業を行う上でも大変便利です。

現金での納税に比べ支払いを後ろ倒し出来る

クレジットカードで税金を納付する場合の引き落としは後日となるため、現金での納税に比べて支払いを後ろ倒しすることが出来ます。
結果的にキャッシュフローの改善にも繋がります。

クレジットカードで税金を納付する際の注意点

メリットの多い税金のクレジットカード納付ですが注意点もあります。

注意点

手数料がかかる

税金をクレジットカードで納付する場合、どのクレジットカードであっても手数料がかかります

国税の場合、税額1万円ごとに一律80円(税込)の決済手数料が発生します。
例えば法人税が300万円の場合、クレジットカード納付の決済手数料は25,080円(税込)かかります。

支払いできないケースがある

クレジットカードで税金を納付できる環境は年々進化しクレジットカードで納付できる税金の種類も増加傾向にあります。

ただしそのシステムは自治体がそれぞれ独自に整備しており、自治体によってはクレジットカードで納付できる税金が限定されていたり、そもそもクレジットカード払いに対応していない場合もあります。

詳細は各自治体ごとにチェックしましょう。

領収書が発行されない

税金をクレジットカードで納付すると個別の領収書は発行されません
支払い内容はクレジットカードの利用明細書で確認する必要があります。

領収書は発行できませんが納税証明書は発行可能な場合もあります。
例えば自動車税などの納税証明書は各都道府県の税事務所窓口で納税証明書の発行申請をすれば発行可能です。

ただし納税証明書の発行はクレジットカードで納税の手続きをしてから日数がかかる場合があるので注意しましょう。

1,000万円以上納税する場合は手続きが複数回必要

クレジットカードで国税を納付する場合、手続き1度あたりの利用可能額は1,000万円未満です。
そのため1,000万円以上納付する場合は納付手続を複数回行う必要があります。

税金の納付をクレジットカードで行う方法

税金をクレジットカード納付にするにはいくつかの方法があるので代表的な方法をご紹介します。

手続き

F-REGI 公金支払いを利用する

F-REGI 公金支払いは、地方自治体の税金(地方税)や各種料金をブラウザ上で支払えるサービスです。

納付可能な主な税金は住民税や固定資産税、都市計画税、自動車税(軽自動車税)、国民健康保険税などで、税金の他には水道料金、電子申請費用などが支払えます

以前はYahoo!公金支払いという同様のサービスがありましたが税金の取り扱いが終了したため、現在はF-REGI 公金支払いYahoo!公金支払いに替わるサービスとして期待できます。

2022年10月26日時点で284自治体が掲載されていますが、自治体により対応内容が異なるため詳しくはF-REGI 公金支払いサイトの「自治体を探す」で納税先の自治体をご確認ください。

(参照|F-REGI 公金支払いサイト

地方税の納付

地方税は各自治体によって、納付出来る税金の種類や決済方法が異なります

東京都では都税クレジットカードお支払いサイトというサイトから100万円未満の税金をクレジットカードで納付することが可能です。

ここで納付できる税金は自動車税、固定資産税・都市計画税(23区内のみ)、固定資産税(償却資産)(23区内のみ)、個人事業税、不動産取得税、その他(法人都民税・法人事業税等)です。

ただし固定資産税・都市計画税、固定資産税(償却資産)、個人事業税の納付に口座振替を利用している人はクレジットカードによる納付はできません。

(参照|都税クレジットカードお支払いサイト

国税の納付

国税をクレジットカードで納付する場合は国税クレジットカードお支払サイトから手続きを行うことができます。

ここで納付できる税金は申告所得税及復興特別所得税、法人税(連結納税)、相続税、贈与税、法人税など29種類です。
※2022年10月現在
(参照|国税クレジットカードお支払サイト

税金の納付にオススメのクレジットカードをご紹介

オススメのクレジットカード

GMOオフィスサポートでは事業者の方に安心でお得なクレジットカードをご紹介しております。
年会費無料のお手軽なカードからサービスや保証が手厚いカードまで各種ございますので、ご自身に合ったカードを選んで賢く税金対策を行ってください。

セゾンコバルト・ビジネスアメリカン・エキスプレス®・カード

アメックスコバルトカード
  • 年会費:永年無料
  • ショッピング安心保険:なし
  • 旅行傷害保険:なし
  • 特長:ビジネスに役立つウェブサービスご利用で永久不滅ポイント最大2%還元(通常の4倍)

セゾンプラチナ・ビジネス アメリカン・エキスプレス®・カード

アメックスプラチナ
  • 年会費:22,000円(税込)
    ※年間200万円以上のショッピングご利用で次年度本会員年会費11,000円(税込)
    ※さらに2023年3月31日までにお申し込みの方、初年度年会費無料
  • ショッピング安心保険:年間最高300万円
  • 海外旅行傷害保険:最高1億円
  • 国内旅行傷害保険:最高5,000万円
  • 特長:SAISON MILE CLUBが利用可能、JALマイル還元率1.125%

記事協力|株式会社クレディセゾン クレディクショナリー

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【専門家監修】バーチャルオフィスに関する費用の勘定科目はなに? https://www.gmo-office.com/blog/business/virtualoffice_account/ Tue, 18 Oct 2022 07:41:24 +0000 https://www.gmo-office.com/blog/?p=489 バーチャルオフィスで法人登記をされているかたや個人事業主としてバーチャルオフィスで開業届を出されているかたの中には、バーチャルオフィスの利用料金は費用として計上できるのか?計上する場合はどの科目になるのか?と疑問に思ってらっしゃるかたもいるのではないでしょうか。

会計処理や確定申告が近づくと不安になりますよね。

すこし専門的な話になりますが、節税に繋がる場合もあるのでバーチャルオフィスをご利用のかた、会計処理や確定申告が不安なかたはぜひご一読ください。

本記事は専門家(公認会計士)監修のもと作成しています

バーチャルオフィスの費用は経費計上できるのか?

答えは「できます!!
バーチャルオフィスの利用自体が事業を運営する上で必要なもの(会社に利益をもたらすために使われたもの)であれば、それにかかるお金は当然経費として計上できます。

経費とは?

それではそもそも「経費」とはなんでしょうか。

わかりやすくいうと「事業を運営するために使われたお金(支出)」のことです。

個人事業主でも法人でもおおまかにいうと売上から経費をひいたものが利益となり、その利益に対して税金がかかります。

経費の額によって支払わなければならない税金の額も変わるため、経費として計上できるかどうかは事業を運営する上で重要です。

経費の計上には経理的処理(仕訳)が必要

経費に計上するということは、つまり経理的な処理をするということです。

詳細な説明は割愛しますが、経理的な処理のことを仕訳と呼び、いつどのような支出/収入があったのか、などをきちんと振り分けて記録することが必要です。

仕訳は取引が発生するたびに正しく行うことが大切です。

仕訳が正しくないと納めるべき正確な税金の額を把握することができません。
悪意をもって利益を過小に計上したり使ってもいない費用を計上したりすると、脱税とみなされて罪に問われる可能性もあります。

また罪に問われなくても仕訳の結果として作成される財務諸表がいい加減だと、企業としての信頼を失ってしまいます。

勘定科目とは?

仕訳とはいつ、どのような、支出/収入があったのか、を記録することだと説明しましたが、どのようなにあたる部分が勘定科目です。

とはいっても様々な支出・収入があるのである程度のルールがないと煩雑になってしまいますよね。
それらをカテゴリ分けするために分類が決まっており、その分類名を勘定科目と呼びます。

勘定科目の代表的な例として、イメージがつきやすいものでいうと
毎月の水道代や電気料なら「水道光熱費」、文房具や日用品だと「消耗品費」、商品や売上を上げるために使ったチラシの費用などは「広告宣伝費」
などがあります。

なお勘定科目はコロコロと変えてよいものではありません(継続性の原則)

経費によっては、Aという勘定科目でもBという勘定科目でもどちらでも問題ないケースがあります。
だからといって「今月はAにしよう、来月はBにしよう」と勘定科目を期間ごとにコロコロ変えてしまうと、期間的比較が正確にできなくなってしまいます。

そのようなことを防ぐために会計処理においては一度決めた勘定科目を継続して使用するようにしましょう。

バーチャルオフィスで使う勘定科目はこれだ

前置きが長くなりましたが、さっそくバーチャルオフィスの利用料金を仕訳するための勘定科目を確認していきましょう。 

バーチャルオフィスの利用料金

まずバーチャルオフィスサービスの基本料金は支払手数料として計上するのが一般的です。

電話代行サービスなどのオプションサービスを合わせて利用している場合には外注費を使うこともできますが、どちらの勘定科目を使っても税金はかわりません。
そのためまとめて支払手数料することをおすすめします。(バーチャルオフィス事業者でも領収書が一つになっている場合がありますがあえてわける必要はありません)

一度支払手数料で会計処理をした場合は、継続して支払手数料で仕訳するようにしましょう。

バーチャルオフィス基本料金以外のサービス

バーチャルオフィスでは、住所貸しだけでなく郵便転送や電話代行サービス、会議室レンタルなどさまざまなオプションサービスがあります。

バーチャルオフィスでよくあるオプションサービスで使われる勘定科目は以下のとおりです。

郵便転送・電話代行:通信費
時間貸し会議室:会議費
印鑑等の事業で使用するこまかな物品購入:雑費 (20万円を超えると固定資産となる可能性があり、その場合減価償却という手続きで費用化します)

バーチャルオフィスで使う勘定科目まとめ
  • バーチャルオフィス基本料金 → 支払手数料
  • 郵便転送・電話代行 → 通信費
  • 時間貸しの会議室 → 会議費
  • 印鑑等の事業で使用するこまかな物品購入 → 雑費
  • 会社設立、法人登記代行 → 支払手数料

レンタルオフィス、シェアオフィス等の物理的なオフィスを借りている場合

住所貸しだけではなく事務所としてもつかえるレンタルシェアオフィス、コーワーキングスペースもあわせて利用している場合は異なります。

その場合は事務所を実際に借りる経費となるため賃貸料地代家賃とするのが一般的です。

地代家賃は土地や建物などを借りる場合、賃貸料は物品(車両や機械、事務用品のリース等)をレンタルする場合に使用します。

レンタルオフィスを一部屋を契約する場合は部屋の契約のため勘定科目は地代家賃ですが、コワーキングスペースを利用する場合などOA機器が含まれていると勘定科目は賃貸料です。

どちらの勘定科目になるのかは、実際契約したレンタルオフィスやシェアオフィスでどういった利用をしているかで判断する必要があるため、不安な場合は税理士や税務署にご相談ください。

個人事業主と法人で使われる勘定科目違い

では、バーチャルオフィスの利用料などを仕訳する際に個人事業主と法人とで違いはあるのでしょうか。

バーチャルオフィスに関して個人事業主と法人で認められる経費の範囲が変わることはないため、バーチャルオフィスの利用で発生する基本料金や郵便転送費用、電話番号転送サービス、会議室利用などの勘定科目は個人事業主も法人も同じです。

※バーチャルオフィスに関しては個人事業主と法人で変わりはありませんが、経費として認められる幅は法人のほうが大きいのでご注意ください。

https://www.gmo-office.com/blog/startup/freelance_or_corporation/

まとめ

少し専門的な話にはなりましたが、バーチャルオフィスの利用料は経費として計上できます。

  • 事業を運営するために必要なお金は経費にできる
  • 一般的に使う勘定科目は、物理的にオフィスを借りている場合は賃借料地代家賃
  • 物理的なオフィスや場所はなく住所貸しのみの場合は支払手数料
  • バーチャルオフィスに付随するオプションで使う勘定科目は、転送費用や電話代行は通信費、会議室を時間で借りる場合には会議費
  • バーチャルオフィスの利用で発生する経費の範囲は個人も法人も変わらない

監修:山本

リモートワークの普及による働き方の変化や副業の解禁を受けた個人のネットショップ開設など、個人の方が起業するケースが増えています。
そんなときに便利なのがバーチャルオフィスで、新しいサービスや機能も増え、より充実してきています。

個人・法人問わず、起業する上で重要なことの1つは銭勘定です。
バーチャルオフィスの費用も事業運営上必要な経費です。記事にあるようにわかりやすい科目で継続して記録していくことで、自分の事業がうまくいっているのか、どんなところに費用がかかっているのかなどを容易に把握できます。

起業家の皆さんはビジネスのみならず、経理や財務の知識も身につけることが必要だと思います。

監修:山本樹(公認会計士)
経歴

1998年4月
センチュリー監査法人(現EY新日本有限責任監査法人) 入所
2001年4月 公認会計士登録
2007年7月
GMOインターネット株式会社(現GMOインターネットグループ株式会社) 入社
2011年6月
GMOクリック証券株式会社 監査役
2012年1月 GMOクリックホールディングス 株式会社(現GMO フィナンシャルホールディングス 株式会社) 取締役
2012年11月
GMO フィナンシャルホールディングス 株式会社 取締役兼執行役
2013年6月
GMOクリック証券株式会社 取締役
GMOクリック・インベストメント株式会社 取締役
FXプライム株式会社(現株式会社FXプライムbyGMO) 取締役(現任)
2014年5月
GMO CLICK Bullion Limited(現GMO-Z.com Bullion HK Limited) 取締役(現任)
2014年10月
GMO CLICK UK Limited(現GMO-Z.com Trade UK Limited) 取締役(現任)
2016年6月
GMO フィナンシャルホールディングス 株式会社 取締役兼常務執行役
GMOクリック証券株式会社 常務取締役(現任)
あおぞら信託銀行株式会社(現GMOあおぞらネット銀行株式会社) 社外監査役(現任)
2016年10月
GMO Wallet株式会社(現GMOコイン株式会社) 監査役(現任)
2016年11月
GMO-Z com Trade (Thailand) Limited(現GMO-Z com Securities (Thailand) Public Company Limited) 取締役(現任)
2017年6月
GMOフィナンシャルホールディングス 取締役兼常務執行役 グループCFO
2018年2月
GMO-Z.com Trade Limited 取締役
2018年11月
GMOクリックグローバルマーケッツ株式会社 監査役
2020年3月
GMOフィナンシャルホールディングス 株式会社 取締役兼常務執行役 CFO(現任)
2021年6月
GMOアダム株式会社 取締役(現任)
2021年8月
当社 取締役(現任)
2021年9月
外貨ex byGMO株式会社 監査役(現任)
2022年4月
GMOビジネスサポート株式会社 取締役(現任)
2022年7月
GMO-Z.COM BUSINESS SUPPORT CANADA, INC 取締役(現任)
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個人事業主と法人、どちらで事業を行うのがよいか? 〜個人事業と法人のメリ・デメを理解しよう〜 https://www.gmo-office.com/blog/startup/freelance_or_corporation/ Thu, 06 Oct 2022 08:53:18 +0000 https://www.gmo-office.com/blog/?p=455 事業を始めるにあたって、個人事業主としてやっていくか法人を設立するかのいずれかを選択する必要があります。

それぞれどのような違いがあるのか、メリット・デメリットはあるのかということが分からないと決められないですよね。

この記事では個人事業と法人の違いを説明します。
ご紹介する情報を参考に、様々な角度から検討してご自身が進む方向を決定してください。

個人事業主と法人の違いを知る

まずは個人事業主と法人それぞれ項目ごとの違いを表にまとめてみました。
自分はどちらを選ぶべきかを選択する材料としてご覧ください。

  個人事業主 法人
事業開始の届け出など
  • 設立登記は不要
  • 開廃業等届出書の提出が必要だが比較的カンタン
  • 設立登記が必要なため、時間・コストがかかる
開業に必要な資金
  • 費用は最低限に抑えられる
  • 資本金が必要
  • 法人登記の費用も必要(登記や印鑑代など、最低24万円程度の費用が必要)
税金面
  • 所得税・復興特別所得税、住民税がかかる(所得税・復興特別所得税、住民税の最高は所得の55.945%)
  • 所得が高くなるにつれ税金面ではメリットがある
  • 法人税(法人税の最高は利益の23.3%)
  • その他法人住民税は個人の住民税に比べると高め
税務申告
  • 比較的カンタン
  • 自分でも申告できる
  • 難しい
  • 専門家に依頼するケースが多い
事業主の責任
  • 全責任を負う
  • 有限責任(個人保証をする場合は実質的に無限責任となる)
社会的信用
  • 低い
  • 高い
  • 金融機関からの借り入れ、従業員の募集など有利
事業主の報酬
  • 事業の利益が事業主の報酬
  • 役員報酬として受け取り、経費の取り扱いとなる
社会保険
  • 原則社会保険加入はできない
  • 社会保険の適用可能

この中でも大きな違いとしてよく挙げられる3つの点について見ていきます。

  1. 手続き
  2. 社会的信用
  3. 税金

個人事業主と法人の比較1:手続き

手続きについては想像がつきやすいと思いますが個人事業主より法人のほうが圧倒的に手間がかかります。

法人を設立するには素人ではなかなか難しいこともあり司法書士など専門家にサポートしてもらうかたも多くいらっしゃいます。
なおご自身で登記手続きを行う場合でも必ず費用が発生します。

また法人でも株式会社や合同会社、非営利法人等、会社形態によって手続き方法が異なり、登記が完了するまでに必要な期間も数週間〜数ヵ月かかるなど様々です。

https://www.gmo-office.com/blog/startup/corporate_registration/


個人の場合、個人事業主として税務署に開業届を提出する必要がありますが開業届の手続きは比較的カンタンです。
また必ずしも開業届けを提出する必要はありません。

https://www.gmo-office.com/blog/startup/notice_of_opening_of_business/

個人事業主と法人の比較2:社会的信用

一般的な事業の場合、信用力という点においては基本的に法人の方が有利です。

例えばあなたが就職するとして個人事業としてビジネスをやっている組織と法人の組織とがあった場合、採用条件がほとんど変わらないとしたらどちらを選択するでしょうか?
多くの方が法人の組織を選択すると思います。

このように採用面だけではなく、金融機関の審査や取引先の開拓において有利に働くケースが多いと考えられます。

ただし法人として事業を行う場合は会社法に則った運営が求められるなど責任も多く発生します。
その分長く続ければ続けるだけ社会的な信用も増すでしょう。

個人のかたでも開業届を提出しているかどうかで大きな違いがあります
開業届を出し青色申告する場合は、複式簿記を始めとした経理的な知識が必要な上、毎年変わる税制の知識も必要です。
その分法人と同じく長く続ければ続けるだけ社会的な信用も増すでしょう。

一方で個人で事業を行なっているかたでも多くの利益をあげて社会的な信用を得ているケースも見られます。

例えば作家や作曲家、芸術家などは会社組織にしてもあまりメリットはありません。
また弁護士や弁理士、税理士、社会保険労務士などは原則個人の資格でしか開業できません。
このように職種によって必ずしも法人化する必要がない場合もあります。

個人事業主と法人の比較3:税金

個人事業主と法人の違いで最も大きいのは税金面です。

経費

法人は個人事業主に比べて必要経費として認められる幅が広がります(生命保険料や社宅賃料、役員報酬など)。

売上から経費を引いた利益に対して税金がかかるため、必要経費として認められる幅が大きいほど納税額に影響し、そのぶん法人のほうが有利といえるでしょう。

「個人事業主の所得税」と「法人の法人税」

利益に対してかかる税金ですが、個人事業主の場合は所得税が発生します。
一方法人の場合は所得税ではなく法人税という形で発生します。

法人税は23.30%なのに対し、所得税は課税対象の所得額に応じて最大45%です。
所得税は所得額に応じて税率が高くなるのに対し法人税は大きく利益が出た場合でも税負担の割合はあまり変わらないため、所得が高ければ高いほど法人化することによるメリットが大きいと言えるでしょう。

※2022年9月30日時点

課税される所得金額 税率 控除額
195万円未満 5% 0円
195万円〜330万円未満 10% 97,500円
330円〜695万円未満 20% 427,500円
695万円〜900万円未満 23% 636,000円
900万円〜1,800万円未満 33% 1,536,000円
1,800万円〜4,000万円未満 40% 2,796,000円
4,000万円〜 45% 4,796,000円

参照:国税庁 > 所得税の税率

住民税

個人事業主の場合は「住民税」として、法人の場合は「法人住民税」として発生します。
以下のとおり、個人事業主と法人では算出方法が異なるので個別で比較が必要です。

住民税:(所得金額 – 所得控除額) × 10% – 税額控除額 + 5,000円(均等割)※
法人住民税:法人税額 × 税率

※東京都の場合

事業税

事業税はそれぞれ「個人事業税」「法人事業税」として発生します。
算出方法はどちらも所得に税率を乗じるので同じですが税率が異なるため注意が必要です。

東京都主税局 > 個人事業税

東京都主税局 > 法人事業税・法人都民税

このように所得が大きいほど税金に対するメリットはありますが、そのぶん法人化した場合は決算が必要なため経理的な負担は増えます
ご自身の事業のステージにあわせて選択するのがよいでしょう。

個人事業主に向いた仕事とは

前述のとおり職種によっては個人事業に向いたものもあります。
なかでも技術やセンスを活かす仕事を行っている方が個人事業主には多くいます。

例えば資格ビジネスやラーメン屋・居酒屋などの飲食店、雑貨屋さんなどの小売店などがあります。
これらのケースでは自分の実力がお客さまから認められれば法人にする必要はありません。個人であっても十分に信用を得る事が可能です。

その他個人事業に向いた仕事はどんなものがあるか以下をご参考ください!

種類 内容 特徴・メリット
資格ビジネス 資格を取得しその資格を使って事業をはじめる
例:税理士、行政書士など
  • 初期費用が少なく手軽にはじめられる
  • 個人の資格や技術を活かせる
  • 資格の希少価値や個人の技術が高ければうまくいく確率が高い
  • 個人の技術力が高ければ法人の信用力はあまり必要としない
小売・飲食店ビジネス やりたいお店を始める
例:アクセサリー店、ラーメン店など
  • 初期費用はある程度必要
  • 個人のセンスや技術が高ければ、うまくいく確率が高い
  • 事業規模の拡大を求めない限り個人の技術力やセンスがあれば法人の信用力はあまり必要としない
在宅ビジネス 自宅で出来る自分のやりたい仕事を始める
例:イラストレーター、ライター、プログラマー
  • 初期費用をかけずに事業を始められる
  • 個人の技術やセンスがいかせないと収益の確保が難しい
インターネットビジネス インターネットを活用し、物の販売やサービスの提供などを始める
例:ネットショッピング(輸入雑貨店、産地直送店)など
  • 初期費用をかけずに事業を始められる
  • 個人のアイディアやセンスがないと収益の確保が難しい
  • 収益の確保や事業規模の拡大を求める場合は法人の信用力が必要
フランチャイズ チェーン店の加盟店、特約店になり事業をはじめる
例:ファミリーレストラン、コンビニエンスストアなど
  • 初期費用は必要だが様々なノウハウ(市場調査・仕入れ・価格設定など)を提供してくれるので手軽にできる
  • 事業規模の拡大を求めるまでは加盟店の信用力があれば法人である必要はない

事務所住所にバーチャルオフィスという選択肢

在宅ビジネスやインターネットビジネスの場合、はじめからオフィスを賃貸契約してスタートするというのは費用も手間も負担が大きく自宅を事務所として事業を開始するケースも多いのではないでしょうか。

しかしながら、インターネット上や名刺、取引先などに自宅住所を公開するのは抵抗がある方も多いと思います。
例えば女性で一人暮らしをしているかたや家族と同居しているかたは、住所を公開してしまうことにより一層不安を抱かれると思います。

そんな時の選択肢としてバーチャルオフィスの利用があります。
バーチャルオフィスとは事業者の住所として掲載可能な住所の提供・登記可能な住所の提供・郵便物等の受取と転送を行ってくれるサービスです。

GMOオフィスサポートでは660円〜住所を利用することができ、都内では渋谷や銀座をはじめとした一等地をご用意しているので顧客や取引先などステークホルダーの信用を得ることもできます。

以上、本コラムがあなたのビジネスに少しでも参考になれば幸いです。

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個人事業主必見!開業届を出すメリット・デメリットとは?書き方や手続き方法も解説 https://www.gmo-office.com/blog/startup/notice_of_opening_of_business/ Mon, 08 Aug 2022 06:06:44 +0000 https://www.gmo-office.com/blog/?p=314 個人で事業を始める時に提出が必要な開業届ですが、提出しないとどうなるの?
メリットやデメリットはあるの?提出しない場合罰則は?など、開業届に関するあれこれを詳しく解説していきます。
また手続きについても解説!実は意外とカンタン!?

開業届とは

開業届とは、新たに個人事業を開始したことを税務署に申告するための書類です。
正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。

実際にどのようなものか画像でご確認ください。
これは国税庁のページからダウンロードできますし、最寄りの税務署で入手することも可能です。

個人事業の開業・廃業届出書

個人事業主は原則として事業を開始して1か月以内にこの届出書を提出する必要があります。
詳しくはこちら(国税庁[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続)

ただし、提出しないことによる罰則はありません
では提出した場合としなかった場合どんな違いがあるのでしょうか?メリットデメリットについて解説していきます。

開業届を出すメリット・デメリット

開業届を提出しないことによる罰則がないので、実際に提出する人としない人がいます。
では両者にどのような違いがあるのか、開業届を提出することによるメリット・デメリットを見ていきましょう。

開業届を提出した場合
メリット デメリット
青色申告ができる(最大65万円の節税) 扶養に入れなくなる可能性
赤字を繰り越すことができる 失業給付を受けられない可能性
屋号で銀行口座を作れる 帳簿付けがやや面倒になる
法人用のクレジットカードを作れる  

メリット

青色申告ができる

最大のメリットとも言えるのが、青色申告ができるようになることです。
青色申告を行うことで最大で65万円の特別控除(青色申告特別控除)が受けられます。

事業所得からの控除を受けることで経費として計上できる金額が大きくなるので、課税対象の金額が小さくなり、結果として支払う税金が少なくなり節税効果を得られます。

この青色申告を行うには開業届の提出が必要です。
開業届とともに「青色申告承認申請書」を提出することで青色申告が可能になります。

赤字を繰り越すことができる

開業届を提出し青色申告を行うことによって、赤字を最大3年繰り越すことができるようになります。
赤字を繰り越すことでどんなメリットが?とピンとこないかもしれませんが、これも実は節税効果があるんです。

例えば以下の例を考えてみましょう。
※わかりやすいように表現していますが実際はもう少し複雑な計算となるのでご了承ください

  赤字を繰り越す場合 赤字を繰り越さない場合
  利益 通算 利益 通算
1年目 -100万円 -100万円 -100万円 -100万円
2年目 -100万円 -200万円 -100万円 -100万円
3年目 200万円 0万円 200万円 200万円

1年目と2年目はマイナスなので課税対象金額はありません。
3年目については赤字を繰り越した場合とそうでない場合に大きな差が出ます。

赤字を繰り越せない場合、単純に3年目の200万円に対して税金がかかります。
一方で赤字を繰り越せた場合、1年目と2年目の合計-200万円と3年目の200万円で相殺できるため、課税対象金額はありません。

このように税の優遇措置を受けられることで、事業を始めたばかりの収入が安定しない時期は特に大きな効果を発揮します。

屋号で銀行口座を作れる

開業届には屋号の記載欄があり、提出することにより屋号を使用できるようになります。
屋号を使用できるようになることで「屋号+名前」の銀行口座を開設できるようになります。

屋号つきの銀行口座が使えるようになることで、
顧客や取引相手の信頼感・安心感が増す
個人口座と明確に区別して管理できる
といったメリットがあります。

https://www.gmo-office.com/blog/startup/trade_name/

バーチャルオフィスでも銀行口座の開設は可能です!

法人用のクレジットカードを作れる

開業届を提出するとその時点で法人用のクレジットカードを申し込みできるようになります。
確定申告を済ませた後であれば個人事業主でも申し込みは可能ですが、事業を始めてからしばらく時間がかかるということもあるので開業届を提出するメリットは大きいです。

デメリット

扶養に入れなくなる場合がある

例えば配偶者の扶養にはいっている場合、会社の健康保険組合によっては「開業した時点で扶養から外れる」こともあれば「一定の収入を超えると外れる」こともあります。

扶養から外れてしまうと保険が自己負担になってしまうので注意が必要です。

失業給付を受けられない場合がある

もし開業しようと考えている人が失業者で手当を受けている場合、開業届を提出した時点で失業者ではなく事業主として事業を開始したことになり、支給の対象とならない可能性が高いです。

開業届を出したにもかかわらず失業給付を受けていると不正受給ともなりかねないため注意が必要です。

複式簿記にしなければならず面倒

これはメリットの「青色申告ができるようになる」ことの裏返しでもあるのですが、青色申告する場合は帳簿の方法を複式簿記にする必要があります。

青色申告:最大65万円の控除(ただし複式簿記)
白色申告:最大10万円の控除(単式簿記でよい)

ただし最近ではマネーフォワードやfreeeのようなクラウド会計ツールでご自身で行うことも可能です。

GMOオフィスサポートでも会計サービスをはじめ各種ビジネス支援サービスをご用意しています。

開業届の手続き方法

提出先

納税地を所轄する税務署長へ提出。
税務署の所在地についてはこちら(国税庁:「税務署の所在地などを知りたい方」)。

提出方法
  • 税務署窓口に持参
  • 税務署宛に郵送
  • e-Taxによりインターネットで申請
手数料

不要

税務署受付時間

8時30分〜17時(土日祝日除く)
※税務署の時間外収受箱に投函でも可

提出時期

事業の開始等の事実があった日から1月以内。

書き方
提出先税務署 納税地を所轄する税務署名を記入
提出日 提出日を記入
納税地 納税地に該当するものを選択しその住所と電話番号を記入
住所地:住民票と同じ場所
居所地:住民票とは異なる一時的に住んでいる場所
事業所:事務所や店舗など事業を行なっている場所
※一般的には住所地を選択しますがオフィスや店舗でも可能です。バーチャルオフィスも可!
事業者情報 事業者本人の氏名、生年月日、マイナンバー(個人番号)を記入
職業 所得を得ている職業を具体的に記入
屋号 屋号があれば記入。屋号は空欄でも可。
届出の区分 「開業」を選択
所得の種類 所得の種類を選択。一般的には事業所得。
開業日 開業した日を記入。自由に設定できます。
開業に伴う届出書の提出の有無 上:「青色申告承認申請書」を同時に提出する場合「有」
下:消費税課税事業者に該当する場合「有」
事業の概要 事業内容を具体的かつ簡潔に記入
給与等の支払の状況 専従者:青色事業専従者の人数
使用人:それ以外の従業員の人数
税額の有無:源泉徴収の天引きが必要な場合「有」


手続きの詳細は以下の国税庁のページをご覧ください。

まとめ

  • 開業届は原則提出が必要だが、提出しないことによる罰則はなし。
  • 開業届を出すメリットは青色申告ができることにより節税効果を得られたり、
  • 屋号で銀行口座が作れたり、法人用クレジットカードがすぐに作れること。
  • 一方デメリットは、扶養や失業手当等注意が必要なことと、
  • 青色申告をすることで若干手間がかかること。
  • 手続きは用紙1枚の記入だけで済み意外とカンタン。
  • 税務署に提出するかe-Taxでも申請が可能。
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屋号とは?個人事業主やフリーランスが知っておくべきポイント! https://www.gmo-office.com/blog/startup/trade_name/ Thu, 04 Aug 2022 10:12:49 +0000 https://www.gmo-office.com/blog/?p=302 屋号とは?

屋号とは、個人事業主のかたが事業を行う際に使う名称で、会社(法人)における会社名と同じです。

法人の場合代表者と法人は別人格のため必ず商号(会社名)が必要ですが、個人事業主の場合は必ずしも屋号をつける必要はありません。

じゃあ屋号ってなんのためにあるの?メリットは?注意すべきことはあるか?など屋号のあれこれについて解説していきます。

またバーチャルオフィスで宛名が屋号の郵便物は届くのか?についても解説したいと思います。

屋号は必ずつけないといけないのか?

前述のとおり、屋号は必ずつけなければいけないということはありません

屋号は個人事業主が事業で使用する名称であり、店舗名や事務所名がこれに相当します。
そのため飲食店を営んでいるなど、業種によってはあったほうが便利です。

一方でフリーランスとして活動しているかたはなくても困らないのでケースバイケースで用いればOKです。

商号や雅号との違いは?

屋号と似たものとして商号や雅号があります。

商号

商号というとややかたいですが、会社名と考えていただければOKです。
法律的には「商号」が正式な言い方ですが、実質的に「会社名」と同じです。

屋号が個人事業主が事業で使用する名称であるのに対し、商号は事業を法人登記する際に必要な会社名です。
そのため屋号とは異なり、法人を設立する際は法人登記が必要なので、必ず商号をつけなければなりません

雅号

雅号とは文人や書家、画家などが本名とは別に使う名前のことで、いわゆるペンネーム・芸名のことです。
屋号は個人事業主が店舗名や事業所など事業にかかわる名称を使うのに対し、雅号は限られた職業のかたが実生活の名前とは別の名前として用います。

屋号をつけるメリット

屋号つきの銀行口座を開設できる

屋号を使用している場合、「屋号+名前」の銀行口座を開設することができます。

屋号入りの銀行口座を開設することで顧客や取引相手の信頼感・安心感を得ることができます。
個人の名前だけの口座よりも、屋号が入っていることで相手に与える印象は大きく変わります。
また、屋号が入っていることで振込先に間違いがないかも一目瞭然です。

なお、屋号つきの銀行口座は多くの銀行で開設できます。
当社が調べただけでも以下のとおり、メガバンクやネット銀行など様々な銀行で開設ができるようです。

  • 三菱UFJ銀行
  • 三井住友銀行
  • みずほ銀行
  • ゆうちょ銀行
  • GMOあおぞらネット銀行
  • PayPay銀行
  • 楽天銀行

また、屋号つきの銀行口座を作ることで個人の銀行口座としっかり区別できるということもメリットの一つです。

事業内容がわかりやすい

屋号のつけかたによって事業内容が一目でわかるようになります。

店舗:「◯◯商店」「◯◯酒屋」「◯◯青果」「◯◯美容院」
オフィス:「◯◯事務所」「◯◯工場」「◯◯鉄工所」「◯◯コンサルティング」

上記の例のようにどのような事業を営んでいるかぱっとわかるというのは一番のメリットかもしれません。

各種書類(契約書、領収書、請求書など)に記載することで社会的信用を得られる

取引先との契約書や請求書また領収書を発行するなど、事業を行う上では多くの書類が発生します。
そのような書類の記名が個人名のみであるより、「屋号+名前」であったほうが取引先や顧客に安心感を与えることができます。

手続き方法

屋号を決めたはいいけど、どうやって手続きをすればよいのか?
屋号の手続きはカンタンで、開業届で申告します。

個人事業の開業届出書の「屋号」欄に決めた名前を記載すればOKです。

画像出典:国税庁[個人事業の開業・廃業等届出書(提出用・控用)]

なお屋号をすぐに決められないかたや開業届を出す時に空欄で出したかたも問題ありません。
開業届は空欄で出したとしても、屋号を使い始めてから最初の確定申告で屋号を記載すれば屋号の申告が完了します。

屋号をつける際のポイント

屋号は、法務局に登記する必要がある法人の設立とは違い原則としては自由に決めることができます。
アルファベットや数字を使っても問題はありません。

自由に決めろと言われても逆に難しいですよね。
そこで、屋号をつける際のポイントをいくつか紹介します。

  • 事業内容がわかりやすい
  • 読み書きしやすい
  • 発音しやすく覚えやすい
  • ドメインを取得できる屋号(ウェブサイトの運営を考えている場合)
  • ネットで検索されやすい

原則自由な屋号のつけかたですが、一部禁止されているものや注意が必要なものもあります。

  • 「◯◯会社」「◯◯法人」などは法務局に登記した法人しか使用できないためNG
  • 「◯◯銀行」「◯◯証券」などは法律で特定の業種にのみ使用が認められているためNG
  • 将来法人化を目指している場合、商号としては使用できない文字がある(「!」「?」など)
  • 世間一般的に知名度のある会社名や製品名はさけたほうが無難

バーチャルオフィスでも屋号は使える?

個人事業主のかたで屋号を使用されているかたは、バーチャルオフィスを利用した場合屋号あての郵便物が届くケースもあるので受け取ってくれるのか気になりますよね。

GMOオフィスサポートでは個人のお客さまであれば「屋号」を1つまで無料で設定することが可能です。
屋号あての郵便物も受け取ることができるので安心してご利用いただけます。

まとめ

  • 屋号は個人事業主が事業を行う際に使う名称。
  • 必ずしも屋号をつける必要はないが、
  • 屋号をつけることで事業内容がわかりやすくなったり、
  • 屋号つきの銀行口座を作成できることで信用を得られる。
  • 手続きは開業届提出時か確定申告の際。
  • 屋号のつけかたは原則自由だが一部NGなものもある。
  • バーチャルオフィスでも屋号での郵便受取が可能。
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