自宅住所以外に郵便物を受け取れる場所を用意したいと考えたときに「私書箱」の利用を考える人は多いかと思います。
が、一口に私書箱と言ってもどういったサービスかを具体的にイメージしづらいかもしれません。
この記事では私書箱サービスの基本的な仕組みから種類・料金の目安、メリット/デメリット、失敗しない選び方まで徹底解説します。
私書箱とは何か

私書箱は郵便物や荷物を自分の代わりに受け取り、保管し、必要に応じて転送してくれるサービスです。
サービスの仕組みは非常にシンプルです。
- 私書箱の住所(郵便局名+私書箱番号、または事業者が指定する住所)を宛先として使う
- 郵便物・荷物が届いたら、郵便局(または事業者)は受領して保管する
- 利用者は自分で取りに行くか、自宅など指定の転送先にて受け取る
郵便や荷物の受取に関してはほとんど自分の住所のように使うことができます。
一般的な利用目的
私書箱の利用目的はだいたい下記の4つが挙げられると思います。
- 自宅住所を公開したくない(通販、懸賞、ファンクラブ、同人活動、取引先への連絡先など)
- 自宅を空けていることが多くて郵便を受け取れない(出張が多い、日中家にいない、長期不在がある、引っ越しの予定があって住所が定まらない、など)
- 郵便物の管理を分けたい(仕事と私用、趣味と生活を分けたい)
- 郵便物や荷物の受取後の安全性を上げたい(ポストや置き配での盗難・誤配・雨濡れの不安を減らしたい)
いずれの場合も自分の住所以外の拠点を持ちたい、というのがあると思います。
私書箱の種類

私書箱に種類なんてあるの? と思われるかもしれませんが、日本で「私書箱」というと大きく次の2つがあります。
- 郵便局が提供する郵便私書箱
- 民間事業者が提供する私設私書箱
郵便局が提供する『郵便私書箱』
郵便局内に設置された私書箱を借りるタイプ。
無料で利用できる一方、誰でも申し込めるわけではないことに注意が必要です。
主な条件としては以下の3つです。
- おおむね毎日、郵便物等の配達を受ける
- 私書箱を6か月以上使用する
- 郵便物等を遅滞なく受け取れる
これを満たすことが出来る場合は郵便私書箱の利用を検討するのが良いでしょう。
ただし、すべての郵便局に私書箱が設置されているわけではないこと、設置されていても空き状況によっては使えないこともあることなど、希望しても使えないケースがありえるので注意が必要です。
参考:私書箱は誰でも利用することができますか? | 日本郵便株式会社
民間事業者が提供する『私設私書箱』
郵便私書箱とは別に民間事業者が運営している私書箱を「私設私書箱」と呼びます。
もちろんタダで使うことは出来ませんが、郵便私書箱と比べて制限がなく柔軟に利用出来るのが特徴です。
郵便物が到着する数、受取の頻度、利用期間を考慮する必要がありません。
短期間だけ使いたい、それほど郵便物の量は多いわけではないけど、受取先だけは分けておきたいといったニーズを満たすことが出来ます。
また郵便私書箱とは異なり複数の事業者が運営しているため、事業者によって下記の違いがあります。
- 郵便だけでなく宅配便に対応している
- 転送の頻度(週1、月数回、都度など)を選べる
- 到着通知(メール等)などのオプションがある場合がある
必要としているサービスに応じて選ぶのが良いでしょう。
価格帯の目安
郵便私書箱(郵便局)
- 原則無料(ただし利用条件あり)
私設私書箱(民間)
- 月額1,000円〜が目安(サービス内容によって変わります)
- 転送を希望する場合は「都度実費+手数料」などの追加料金があることが多いので要注意。
郵便物・宅配便の受取や転送、到着通知などを組み合わせた料金体系が提示されているサービスもあります。
※月額+転送費+保管費(発生条件)の3点セットで見ると比較しやすいです。
私書箱サービスを利用するメリット
プライバシーを保護できる
ネット通販や登録で住所が必要でも自宅住所を相手に伝えずに済むのが大きな利点です。
近年はなにかと物騒なため、プライバシーの保護に私書箱を使うのは賢い選択です。
郵便受取が楽になる
外出が多く家を空けていることが多い人でも私書箱側で受け取り・保管を行ってくれるため、面倒な不在票対応や再配達などのストレスを減らしやすいです。
配送後も安心
郵便物が私書箱で保管されるため、自宅ポストからの盗難や誤配などのリスクを下げられます。
最近は置き配の荷物が盗難に遭うなどの被害報告もあるため、私書箱で預かってもらえるのは安心感があります。
私書箱サービスのデメリット
受け取れる荷物に制限がある
郵便私書箱、私設私書箱ともに郵便物の受取だけでなく荷物も代わりに受け取ってもらうことが可能ですが、受け取れる荷物にはサイズや種別などの制限があります。
- 郵便私書箱:ゆうパック、ゆうパケットは受け取れても郵便局以外の荷物の受取ができないため受け取れるのは郵便物中心
- 私設私書箱:宅配便対応があっても、サイズ・内容物・保管期間など制限が付くことがある
利用用途にあわせてきちんと荷物を受け取ってもらえそうかは事前に確認しましょう。
期間などの利用条件がある(郵便私書箱)
郵便私書箱は6か月以上などの条件が明記されています。
そのため引っ越しなど短期の期間だけ利用する「郵便の一時的な避難先」にはしづらいのが現状です。
短期の利用なら私設私書箱を利用するのが良いでしょう。
法人登記には向かない
郵便物の受け取りに使える住所となるとバーチャルオフィスやレンタルオフィスと似たようなものだと捉えてしまいがちですが私書箱はあくまでも「郵便物の受取場所」です。
そのため本格的なビジネス用途、特に各種法人の登記住所としての用途には不向きです。
※当然ですが登記や事業の許認可など“公的な住所”が絡む利用用途の場合は必ず個別に要件確認が必要です。
「住所」として認められない場面がある(特商法など)
上でも述べたように私書箱はあくまでも郵便物の受け取り場所でしかないため、公的な住所としては認められない場面があります。
特にネットショップの開設を考えている場合に必須となる「特定商取引法に基づく表記」について、消費者庁のQ&Aでは私書箱での表示は「住所」の表示にならないと説明されています。
そのためネットショップ運営で利用したいと考えている場合は別のサービスを探したほうが良いでしょう。
郵便以外の付帯サービスは基本ない
私書箱は郵便関連がメインのサービスなのでビジネス利用を考えている場合に欲しくなってくる電話番号・会議室・受付対応などをまとめて欲しい人には物足りないことがあります。
総じて郵便物や荷物を受け取ってもらえるサービスとしては心強い一方で、本格的にビジネスに使える住所ではないことに注意が必要です。
私書箱サービスの選び方
1.料金と契約条件で選ぶ
まず一番重要なのは料金です。
もちろん郵便私書箱の利用条件を満たしている場合は無料の郵便私書箱を使うのがベストです。
一方で私設私書箱を使う場合は入会金や預り金(デポジット)など、意外と考えることが多くなってきます。
発生する費用の一例はこんな感じです。
- 初期費用(入会金や契約手数料など)
- 転送の料金(実費+手数料)
- 預り金(デポジット)
単純な月額の比較ではなく、コミコミでいくらになるかを考えて選びましょう。
また、契約条件も重要なポイントです。
下記の2つは必ずチェックしておきましょう。
- 保管期限(何日で追加料金/返送/廃棄になるか)
- 受取可能な荷物の種類(宅配便OKでもサイズや個数制限があるか)
特に保管期限がある場合は追加料金を払えば引き続き保管してもらえるのか、それとも破棄、返送になってしまうのかを確認しておかないと大事な郵便を受け取れなくなってしまう可能性があります。
2.アクセスの利便性で選ぶ
郵便物を自分で取りに行くことを考えているのであれば営業時間・場所が合っていないといつまで経っても郵便物を取りに行けなくなってしまいます。
自分が気軽に立ち寄れる場所にあるかどうか、行ける時間に開いてるかどうかは要チェックです。
また、受取ではなく転送での利用を考えている場合も私書箱から自宅までの物理的な距離は考えておかないといけません。
意外と忘れがちなのですが普通郵便での発送の場合、到着が最短で翌々営業日、遅いときでは3〜4営業日(土日祝日を除く)かかる場合もあります。
転送の場合も重要になるため、事前に配送にかかる日数をチェックしておくと安心です。
お届け日数を調べる|郵便局
3. 信頼性とセキュリティで選ぶ
契約時の本人確認の方法、保管場所の管理、誤配時の対応、サポート窓口の有無やレスポンスの速さは要チェックです。
自分の郵便を預けて大丈夫な事業者かどうかは念入りにチェックしておきましょう。
特にビジネスでの利用の場合は万が一何かあったときのことを考えておくのが大切です。
ビジネス利用なら私書箱じゃなくて「バーチャルオフィス」という選択肢がありかも
さて、ここまで私書箱サービスについて解説してきましたが、私書箱はあくまでも「郵便物の受け取り場所」です。
そのため、次のどれかに当てはまるのであればバーチャルオフィスのほうが合うことが多いです。
- 法人の住所として使いたい(登記住所として利用)
- 特商法表記を含めてきちんとした“ビジネス用の住所”として成立させたい
- 郵便の受取、転送以外のサービスも欲しい(会議室、電話転送、受付など)
「私書箱とバーチャルオフィスの違い」をもう少し具体的に比較したい場合はこちらもご参考ください。
https://www.gmo-office.com/blog/howto/virtualoffice_pobox/
まとめ
私書箱は郵便物(場合によっては荷物も)を受け取り、保管・転送できるサービスで郵便の受取がメインであれば非常に便利なサービスです。
一方で本格的なビジネス利用を考えるとどうしてもサービスが足りない場合もあります。
そんな時は私書箱としても利用可能なGMOオフィスサポートのバーチャルオフィスをご検討ください。
私書箱についてよくある質問(FAQ)
Q. 郵便局の私書箱は誰でも使えますか?
基本的には誰でも使えますが条件があります。
郵便局の案内では「おおむね毎日配達」「6か月以上使用」「遅滞なく受け取れる」などが条件として示されています。
Q. 郵便私書箱は本当に無料ですか?
はい、無料です。
郵便局の案内では「郵便局に設置されている郵便私書箱を無料で貸している」と説明されています(ただし利用条件あり)。
Q. ネットショップの特商法表記に私書箱は使えますか?
使えません。
消費者庁のQ&Aで私書箱を表示しても「住所」を表示したことにならない、と説明されています。
Q. 私設私書箱なら宅配便も受け取れますか?
事業者によります。
郵便物・宅配便の受取や転送に対応するサービスもありますが、サイズ・保管期限・追加料金の条件が付くことがあります。





